クラヴィスの破産

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以下は、平成24年7月5日付、日本経済新聞からの抜粋です。

【関西の消費者金融、クラヴィス破産 負債総額3268億円】
リッチ、ぷらっと、クオークローンなどの名称で営業していた消費者金融のクラヴィス(大阪市、蔵内英人社長)は5日、大阪地方裁判所に自己破産を申請し、同日付で破産手続き開始決定を受けた(大阪地方裁判所 平成24年(フ)第3650号)。負債総額は約3268億円で、関西の消費者金融では過去最大規模。破産管財人によれば、債権者は約46万人で、過払い金返還の請求対象は約3219億円に上るという。

クラヴィスは、過去に何度も商号を変更しており、リッチ株式会社、株式会社ぷらっと、株式会社クオークローン、株式会社タンポート、株式会社シンコウ、東和商事株式会社などという商号でした。したがって、このような商号の会社と過去に金銭消費貸借取引をしたことがあるという方は、クラヴィスに過払い金返還請求権を有している可能性があります。

そして、このような過払い金請求権を有している債権者の方のところには、「破産手続き開始等の通知書」が郵送されることとなります。もしもクラヴィスとの取引について家族に内緒にしているなどのご事情がある場合、下記のコールセンターに連絡すれば、通知書の発送を止めることができるようです。
株式会社クラヴィス破産管財人室コールセンター 06-6356-3386

また、クラヴィスと現在も取引中の方については、利息制限法による引き直し計算をすれば過払いとなる方は当然として、そうでない方も、いったん支払いはストップして下さいということです(平成24年7月5日現在。後日、返済のための口座を設定し、ホームページ上で告知する。支払いストップによる、遅延損害金の発生、信用情報機関への事故情報の登録等の不利な取り扱いはない)。

大阪では8月29日、東京では9月5日に債権者説明会が開催されます。そして、今後は、破産管財人が、、裁判所の監督の下、クラヴィスの資産の換価を行い、配当が可能な場合には、配当手続による弁済が行われます。しかし、もし配当するだけの財産がないような場合には、破産は廃止となり(異時廃止)、配当はされずにクラヴィスは消滅します。

クラヴィスといえば、過去にプロミスの子会社であった時代があり、過払い金返還との関係でいうと、クラヴィスへの約定借入残高相当額をプロミスから借入れ以降はプロミスと取引を継続したような案件については、最高裁平成23年9月30日判決により、クラヴィスとの取引により発生した過払い金をプロミスに請求できる場合があります。このような場合を除いては、今回の破産により、破産手続きの中での配当を除いては、過払い金の返還を受けることはできなくなってしまいました。
プロミスとクラヴィスの過払いについてくわしくはこちら

過払いって状況を少し深く考えてみた

大阪で債務に苦しんでる人、そしてその方がもしかしたら過剰払いになってるって状況を考えてみた。
債務者が債権者になって、貸金業者から過払い金を取り立てる。これはある意味痛快です。一番の悲劇は、ずっと気付かないまま際限の無い返済地獄に落ち込んでて、当人が気付かない、そして取引が終了して10年が経過して、時効になってしまったりするケースですね。

この過払い、いろんな状況って言うかケースがあると思う。本質は同じはずなのに、ある人は何かのきっかけでそれに気付かされて救われるってケースもあれば、前述のような人も生まれる。そうです、気付くか気付かないか、それだけで天と地ほどの差異が生じてしまうのがこういった問題ですよね。

最近政治に興味をもちまして、どこかの誰かが「命を守りたい」って台詞で有名になりましたが、先ほども書いた自殺者の統計の事、そしてその原因をもっともっと掘り下げる必要があるんじゃないかなって思う。そうした作業もしないで、単に「命を守りたい」っていうのは、厳しいけど「空言」でしかないですね。過払いを過払いであるって気付かせる努力。特にテレビしか観てないって事になると、どうしても情報は偏ってしまう。幸いにも私にはネットがあるので、何をどうしたら良いかって処方箋はこうした過払いについても持ってるつもり。

まあ第一にサラリーマンである私は、収入も安定しているため、ギャンブルに狂ったりでもしない限りは、多重債務に苦しむとか、そういった状況にはならないって思うんですが、リストラなどの可能性がゼロではない。また、友人や親類縁者がそういった状況に陥らないとも限らない。ぜひテレビで「過払い」のこと、もっともっと放送して欲しいもの。そして自殺原因を生活苦って一言で、鬱って一言で片付けてしまわないで、どうしてそうなったのか、もう一段、二段、深く分析する必要があると思います。利息制限法という法律の条文だけではわかりません。関連する判例も調べて、利息の上限、無効な支払いが貸金に充当される理屈、過払い金に発生する民法704条の利息等、さまざまな知識が必要となります。